猫を動物病院に連れて行くときや旅行時など、キャリーバッグは必須アイテムです。
しかし、多くの猫はキャリーバッグを「嫌な場所」として認識しがち。
特に雑種猫は個性が豊かで、それぞれの性格や過去の経験に応じたアプローチが必要です。
この記事では、雑種猫がキャリーバッグを嫌がらず、快適に利用できるようになるためのしつけポイントを詳しく解説します。

キャリーバッグを嫌がる理由は、猫にとって「未知」や「不快感」を与える要素が詰まっているからです。
まずは猫がなぜキャリーバッグを嫌うのか、その理由を理解することが重要です。
バッグへのトラウマ
過去にキャリーバッグで病院へ行き、注射や検査など嫌な経験をした場合、猫はバッグそのものを「怖いもの」と認識してしまいます。
例
- 動物病院に行くたびにバッグに入れられる。
- 外出時の振動や音に驚いた経験がある。
環境が快適でない
キャリーバッグの中が狭すぎたり、温度が適切でなかったりすると、不快感を覚えます。
また、移動中の揺れや騒音も猫にとってストレスの原因となります。
例
- バッグが冷たいプラスチック素材で不快。
- 車や電車の移動でバッグが揺れる。
知らないものへの恐怖心
猫は保守的な動物で、新しいものや環境に慣れるのに時間がかかります。
キャリーバッグに対して警戒心を持つのは自然な反応です。
例
- 初めて見たバッグに近づこうとしない。
- バッグの匂いや音に驚く。

では、これらの理由を克服し、猫がキャリーバッグを嫌がらないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?
5つのポイントを実践することで、猫との外出がスムーズになります。
日常生活にキャリーバッグを取り入れる
キャリーバッグを特別なものではなく、日常生活の一部として猫に慣れさせましょう。
バッグが日常的に目に入るようにするだけでも、猫の警戒心が薄れます。
✅実践のコツ
- 部屋の隅に常に置いておく
キャリーバッグを収納せず、猫が自由に出入りできるようにします。 - 中にタオルや毛布を敷く
柔らかく快適な寝床を作り、猫が自然と中で休める環境を整えます。

リビングにバッグを置き、数日間放置しておいたら、猫ちゃんが中に入って寝るようになったわ
バッグと「良いこと」を結びつける
猫がバッグに良いイメージを持つように、ご褒美を使いながら慣らしていきます。
これにより、キャリーバッグを嫌がらず、自ら入るようになります。
実践のコツ
- おやつを使う:キャリーバッグの中におやつを置き、猫が入ったら褒めてあげましょう。
- おもちゃで誘導:バッグの中に好きなおもちゃを置き、遊びながらバッグに慣れさせます。

良い行動をした直後にご褒美をくれると行動と報酬を関連付けやすくなるにゃ
短時間の練習から始める
一度に長時間バッグに入れようとすると、猫が恐怖を感じてしまいます。
まずは短時間から始め、徐々に慣れさせていきましょう。
✅ステップ練習
- 扉を開けたまま慣らす:バッグの中に自由に出入りさせます。
- 短時間だけ扉を閉める:1分間閉めた後に開け、猫を褒めてご褒美を与えます。
- バッグを持ち上げる:バッグに猫を入れて、短い距離だけ移動してみましょう。

無理に扉を閉めると、逆に恐怖だにゃ。ぼくが落ち着いている状態で行ってね。
キャリーバッグを猫の好みに合わせて選ぶ
キャリーバッグの種類によっては、猫が嫌がらずに入る場合もあります。
特に雑種猫は好みが個体差で大きいため、猫の性格に合わせたバッグを選びましょう。
おすすめのバッグタイプ
- 上部が開閉するバッグ
上から入れやすく、猫も視界が広くなり安心感が増します。 - 柔らかい布製バッグ
プラスチックより柔らかい素材のほうが快適と感じる猫も多いです。 - 広さに余裕があるバッグ
体を回転できる程度の広さがあると猫がストレスを感じにくいです。
👆ポイント
初めてバッグを購入する場合は、猫の体格や性格を考慮して選びましょう。可能であれば店頭で試してみるのもおすすめです。
移動時のストレスを最小限にする
キャリーバッグに慣れたとしても、実際の移動時にストレスを感じることがあります。
移動中の快適さを確保することも大切です。
✅実践のコツ
- バッグの揺れを抑える
車内や電車では、バッグを安定した場所に固定します。 - 温度管理を徹底する
バッグ内が暑すぎたり寒すぎたりしないよう注意しましょう。 - フェロモン製品を活用
リラックス効果のある製品(例:Feliway)をバッグ内にスプレーすると効果的。

キャリーバッグを嫌がる猫に対応するには、基本的な慣らしのステップだけでなく、猫の性格や反応に合わせた追加テクニックを取り入れることが効果的です。
キャリーバッグ内を「猫の匂い」で安心空間に
猫は自分の匂いがついている場所に安心感を抱きます。
バッグ内に猫の匂いをつけることで、猫がバッグを「自分の場所」と感じるようにするのが効果的です。
猫が使っている毛布やタオルを入れる
バッグの中に、普段から猫が使っている寝床用のタオルや毛布を敷きます。
これにより、バッグの中が猫にとって安心できる空間に早変わりします。
猫がバッグにこすりつけた匂いを増やす
バッグの表面や中に猫の匂いがつくように、猫がこすりつけやすい素材で覆ったり、フェロモン製品を使ったりすると良いでしょう。
猫が初めてバッグに触れる際に匂いを嗅ぐ時間をたっぷり取ることで、バッグに対する警戒心を自然に和らげられます。
初めての外出は短距離から慣らす
キャリーバッグに慣れたら、実際に外出の練習を始めます。
最初から長距離の移動をさせると猫がストレスを感じるため、短時間・短距離の外出から徐々にステップアップすることが重要です。
短時間の移動から始める
- ステップ1:バッグに入れた状態で部屋の中を少し移動させる。
- ステップ2:玄関から外に出てみる(1~2分程度)。
- ステップ3:車に乗って数分間ドライブする。

移動中に猫が鳴いたり動揺したりしても、落ち着いた声で話しかけて安心させてあげてね

多頭飼いの家庭では、一匹だけバッグに入れると不安を感じる猫もいます。
この場合、同居猫を利用してバッグに対する安心感を与える方法が有効です。
猫同士の安心感を利用して、バッグに対する警戒心を軽減します。
例
- バッグに慣れた猫がいる場合、その猫をバッグに入れ、もう一匹の猫が近くで匂いを嗅げるようにする。
- 同時にご褒美を与え、「バッグ=良いことがある」と関連付ける。
キャリーバッグ嫌いを克服するには、便利なグッズを活用するのもおすすめです。
✅フェリウェイスプレー
- 特徴:リラックス効果のある猫用フェロモンが配合されているスプレー。
- 使い方:バッグの内側にスプレーしてから猫を入れる。
✅自動開閉バッグ
- 特徴:上部が広く開くため、猫を入れやすくストレスを軽減できる。
- おすすめシーン:病院への通院時など、スムーズな出し入れが必要なとき。
キャリーバッグ嫌いを克服するには、猫が安心してバッグに触れるまで焦らず少しずつ慣らしていくことが大切です。
バッグを日常生活に取り入れたり、短距離の外出から始めたり、猫の性格や反応に合わせた方法を選びましょう。
焦らず猫のペースを尊重することが成功のポイントです。
猫がバッグを「快適な場所」と認識すれば、外出や病院もスムーズになりますよ!