引越しは猫にとって大きなストレスを伴うイベントです。特に雑種猫は性格が多様なため、一匹一匹で引越しへの反応が異なります。
「家が変わる」という環境の変化は、警戒心の強い猫にとって一大事。
そのため、引越しをスムーズに進めるためには、事前準備と猫の心理的ケアが欠かせません。こ
こでは、雑種猫と一緒に引越しを成功させるための具体的なコツを解説します。

1. 猫が慣れたアイテムを準備する
引越し前に、猫が普段使っているベッド、毛布、おもちゃなどのアイテムをしっかり揃えておきましょう。これらのアイテムは、新居でも安心感を与えてくれます。
- 私の経験
私が以前引越ししたとき、雑種猫がいつも使っている毛布を引越し先に真っ先に運びました。
すると、最初は警戒していた猫が毛布の匂いを嗅いで少し落ち着いた様子を見せてくれました。
2. 引越し用キャリーバッグに慣らす
引越し当日はキャリーバッグが必要不可欠ですが、普段使っていないと猫が嫌がることも。
引越しの1週間前からキャリーバッグを部屋に出し、中におやつやおもちゃを入れて、ポジティブな印象を持たせるようにしましょう。
3. 新居の安全を確認する
新居には猫にとって危険な場所(窓の隙間、鋭利な角、毒性のある植物など)がないか事前にチェックしておきましょう。
また、家具の配置も、猫が隠れる場所や逃げ場を確保できるように考えておくことが大切です。
キャリーバッグに慣らす時間は余裕を持って、引越しの1週間前から始めましょう。

1. 移動中はキャリーバッグの中で
引越し当日、移動中の安全を確保するために、猫はキャリーバッグの中で過ごさせましょう。
車内で不安が強い場合は、キャリーバッグに猫が落ち着く香り(フェリウェイなど)をスプレーしておくと効果的です。
2. 猫専用の静かな部屋を確保
引越し作業中は、猫を一時的に静かな部屋に隔離しておくと良いです。
荷物の出し入れで玄関が開けっぱなしになると、猫が外に逃げてしまう危険があります。
- 実践例
引越し作業中、私は一部屋に猫用ベッドやおやつを置き、猫が安心できるよう配慮しました。
引越しスタッフがいる間は完全にその部屋に閉じ込めることで、猫が落ち着いていられました。
3. 引越し後すぐに新居へ猫を連れて行かない
家具がある程度配置され、猫が隠れる場所を確保できる状態になるまでは、新居に猫を連れて行くのを待ちましょう。
引越しが完了するまでの間、猫を知人に預ける選択肢も考えてみてください。
作業中は猫が入れる静かな部屋を確保し、脱走防止を徹底しましょう。

1. 小さなスペースから慣らす
いきなり家全体を探索させるのではなく、一部屋からスタートさせて、少しずつ新しい環境に慣らすと猫の負担が軽減されます。
- 私の工夫
最初に猫を慣れさせる部屋には、普段使っていたベッドやおもちゃを置き、慣れてきたタイミングで他の部屋を解放しました。
この方法で猫も落ち着いて新しい家に馴染んでくれました。
2. 猫のペースに合わせる
猫の性格によって、新しい環境に慣れるスピードは異なります。無理に家全体を探索させたり、引っ張り出したりせず、猫が自分のペースで動けるようにしましょう。
3. 引越し後も遊びやスキンシップを忘れない
新しい環境に慣れるまでの期間は、猫が安心できるよう、たくさんのスキンシップや遊びの時間を作りましょう。
猫が飼い主の存在を「安心できるもの」と再確認することで、新しい環境への適応がスムーズになります。
ずは一部屋から慣らし、徐々に活動範囲を広げてあげると安心です。

引越し後、猫が新しい環境に馴染むまでのステップを計画的に進めることが重要です。
以下の手順を参考に、猫が安心して過ごせる空間を整えましょう。
ステップ1:最初に一部屋だけを開放
- 引越し直後は、猫を1つの部屋に限定します。その部屋にはキャットタワーやベッド、トイレ、水などの基本セットを用意します。
- 部屋に慣れるまで数日待ち、猫が自ら他の部屋を探索するタイミングを見計らいましょう。
ステップ2:生活リズムを整える
- 食事や遊びの時間を、引越し前と同じリズムで進めると安心感が増します。
- 部屋に慣れたら、徐々に猫が興味を持ったエリアを解放していきます。
ステップ3:探索中の猫に過干渉しない
- 猫が新しい部屋を探索している間は、余計な声をかけたり触ったりせず、自主的に環境を受け入れるのを待ちましょう。
👆探索を始めたら、猫が「新しい環境に興味を持つまで待つ」ことが大切です。

引越しは猫にとって大きなストレスとなり、飼い主が気をつけるべきトラブルがいくつかあります。
特に「脱走防止」と「体調の変化」は見過ごしやすいですが、適切な対策を取ることで回避できます。
脱走防止を徹底する
猫は環境の変化に敏感で、不安や恐怖を感じると逃げ出そうとする習性があります。
引越し中や新居での生活が始まったばかりの頃は、猫がパニックを起こし、脱走するリスクが非常に高いです。これを防ぐために以下の対策を講じましょう。
- 引越し作業中
ドアや窓が開けっぱなしになりやすく、猫が外に飛び出してしまう可能性があります。 - 新居に移動した直後
猫が新しい環境に馴染む前に外に出てしまうと、パニック状態で戻れなくなることがあります。
- 猫を一部屋に隔離する
引越し当日は、猫を荷物の出し入れがない静かな部屋に隔離しておきます。
この部屋のドアや窓を必ず閉めておき、作業中は絶対に開けないようにしましょう。
👆 部屋の中には、猫が安心できるベッドや毛布を置いておくと効果的です。 - 脱走防止グッズを活用する
- 窓やドア用の脱走防止ネット
窓や玄関に取り付けることで、猫が隙間から外に出るのを防げます。
特に網戸のある窓は、猫が破って脱走するリスクが高いため注意が必要です。 - ハーネスとリード
猫を新居で短時間だけ自由にさせたい場合には、ハーネスとリードを活用して制御する方法もあります。
- 窓やドア用の脱走防止ネット
- 迷子対策を準備する
万が一脱走してしまった場合に備え、迷子対策をあらかじめ講じておきましょう。
- 首輪と迷子札: 猫の名前と飼い主の連絡先を記載した迷子札を装着します。
- マイクロチップの挿入: 獣医師に依頼して埋め込むと、猫が迷子になった場合でも身元が確認できます。
👆ドアや窓の閉め忘れがないか、作業前に必ずチェックし、部屋の安全性を確保しましょう。
体調に異変があれば早めに受診
引越し後、猫が環境の変化に適応する過程でストレスを感じることがあります。
このストレスが体調に影響を与えることもあるため、猫の健康状態を注意深く観察しましょう。
- 食欲不振
引越し後に食欲が落ちるのはよくあることですが、2~3日以上続く場合は要注意です。
特に全く食べなくなった場合、肝臓に負担がかかる「肝リピドーシス」などの病気を引き起こす可能性があります。 - 便秘や下痢
ストレスから消化機能が乱れ、便秘や下痢をすることがあります。
これが1週間以上続く場合は早めに獣医師に相談してください。 - 嘔吐や元気のなさ
繰り返し嘔吐する場合や、普段活発な猫が動かなくなった場合は、健康上の問題が隠れている可能性があります。
- 食事と水分補給を徹底する
- 猫が好んで食べるフードを与え、食べやすい環境を作りましょう。
ウェットフードを追加すると、水分摂取もスムーズになります。 - 新しい水飲み場の場所をすぐに教えてあげることも重要です。
- 猫が好んで食べるフードを与え、食べやすい環境を作りましょう。
- 環境を落ち着ける
新居に慣れるまでの間は、猫が安心して過ごせる静かな場所を用意してください。
環境が落ち着けば、ストレスによる体調不良も和らぐことがあります。 - 獣医師の相談をためらわない
引越し後、猫が極端に体調を崩したり、長期間ストレスが解消されない場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
- 診察時のポイント: 引越し後の変化や、異変が見られたタイミングを詳しく伝えると、適切な診断を受けられます。

体調の変化はストレスのサインでもあるため、気になる症状があれば早めに対応を!

複数の猫を飼っている場合、引越しはさらに慎重な対応が必要です。
それぞれの猫の性格に合わせた引越し計画を立てましょう。
ステップ1:猫同士を分ける
引越し直後は、一匹ずつ別々の部屋で過ごさせるのがおすすめです。
新しい環境に馴染む時間を個別に与えることで、不安や緊張を軽減できます。
ステップ2:合流のタイミングを見極める
新居である程度落ち着いてから、再び猫同士を合流させます。
この際、威嚇や喧嘩が起こりやすいので注意深く観察しましょう。
ステップ3:トイレの数を確保する
「猫の数+1個」のトイレを設置することで、トイレの奪い合いを防ぎ、ストレスを軽減できます。

多頭飼いでは、猫ごとの「慣れのペース」を尊重し、個別対応してね。

引越し後、猫がストレスを感じている場合、行動や体調に変化が現れることがあります。
これらのサインを早期に見つけて対処することで、猫の不安を軽減できます。
- 隠れる時間が長い
引越し直後に家具や部屋の隅など、狭い場所に隠れて出てこないのは、環境の変化に対する警戒心の表れです。
無理に引っ張り出さず、猫が安心するまでそっとしておきましょう。 - 食欲の低下
新しい環境に慣れるまで、食欲が落ちる猫もいます。
この場合、普段より少し好物を増やしてあげたり、食べやすいウェットフードを与えるのがおすすめです。 - トイレの失敗
環境の変化でトイレを失敗することがあります。
トイレの場所が猫にとって静かで落ち着ける位置にあるか確認しましょう。
- 猫のペースに合わせ、スキンシップは無理にしない。
- フェリウェイなどのリラックス効果が期待できる商品を使用する。
- 新居の生活リズムを早めに整え、安心感を与える。

隠れる、食べない、トイレを失敗するなどの変化は見逃さず、猫のペースを大切にね!

新しい環境で猫を落ち着かせるには、特定のアイテムが役立ちます。
これらを上手に使うことで、猫の不安を軽減できます。
- フェリウェイ拡散器
猫がリラックスするフェロモンを模倣した成分を拡散するデバイス。
新居の空間に馴染ませるために使用すると効果的です。 - お気に入りの毛布やベッド
猫が慣れ親しんだ匂いのついたアイテムを持ち込むことで、安心感を与えます。 - 高い位置に置けるキャットタワー
新しい家の安全を確認するため、猫は高い場所を好みます。
キャットタワーを配置することで、猫の探索意欲をサポートできます。
👆引越し先には必ず「猫が安心できる匂いのついたアイテム」を最初に配置してください。
引越しは猫にとってストレスフルなイベントですが、事前準備や適切なケアを通じて、猫にとって安心できる環境を作ることができます。
雑種猫特有の性格に合わせた工夫をしながら、ゆっくりと新しい生活に慣らしていきましょう。
私自身、猫との引越しは最初とても不安でしたが、猫が少しずつ新しい環境に慣れていく姿を見ると、達成感とともに信頼関係が深まったと感じました。
あなたも、愛猫との新生活を楽しんでくださいね!