老猫の認知症サインと対応方法

猫も高齢になると認知症を発症することがあります。

これを「猫の認知機能障害症候群（Feline Cognitive Dysfunction）」と呼び、人間の認知症と似た症状が現れることが特徴です。

早めにサインに気付き、適切な対応をすることで、老猫が穏やかに過ごせる日々をサポートできます。

この記事では、老猫の認知症のサインと対応方法について詳しく解説します。

老猫の認知症サイン

認知症のサインは、行動や習慣の変化として現れることが多いです。

以下のような症状が見られたら注意が必要です。

1. 夜中に鳴く・徘徊する

認知機能の低下により昼夜の区別がつかなくなり、夜中に大きな声で鳴いたり、家の中を徘徊する行動が見られます。

私の体験
老猫が夜中に頻繁に鳴き始めたとき、最初はお腹が空いているのかと思いましたが、認知症が原因であることが分かりました。
環境を少し変えるだけで、この症状が少し和らぎました。

2. トイレの失敗

トイレの場所を忘れてしまったり、使い方が分からなくなることがあります。

また、体の衰えからトイレに間に合わない場合もあります。

3. 興味や意欲の減少

以前は大好きだったおもちゃや飼い主とのスキンシップに興味を示さなくなることがあります。

4. 混乱や迷子になる

部屋の中で自分がどこにいるのか分からなくなり、普段通りのルートで歩けなくなることがあります。

5. 食欲の変化

食べ物に興味を示さなくなる、または同じ場所で食事ができなくなるなど、食事習慣が変化する場合があります。

みーにゃ

いつもと違う行動や変化が続く場合、早めに認知症の可能性を考えて対処してにゃ

認知症の猫への対応方法

認知症が進行しても、飼い主の工夫次第で老猫が快適に過ごせる環境を整えることができます。

1. 環境を整える

猫が迷子にならないように、生活エリアをシンプルに保つことが重要です。

家具の配置を変えず、猫が使いやすい場所にベッドやトイレを設置します。

👆高齢猫用の低いトイレや、柔らかい寝床を用意してあげましょう。

2. 昼夜のリズムを整える

昼間に活動的に過ごせるよう、おもちゃで遊んだり、スキンシップの時間を設けます。

夜間に静かに眠れる環境を作るために、照明を少し暗くし、静かな音楽を流すと効果的です。

3. トイレの数を増やす

老猫はトイレを忘れたり、間に合わないことがあります。

複数の場所にトイレを設置し、猫がすぐに使える状態にしておきましょう。

4. 食事の工夫

認知症になると食べる場所や方法が変わる場合があります。

お気に入りのフードを探し、小分けにして頻繁に与えると食欲が戻ることがあります。

補助アイテム
食べやすい浅い皿や、温めたウェットフードで香りを引き立てるのもおすすめです。

5. 獣医師のサポートを受ける

認知症が疑われる場合、動物病院で診察を受けることをおすすめします。

症状の進行を遅らせるためのサプリメントや、猫の健康をサポートする療法食などのアドバイスをもらうことができます。

にゃん太

環境の変化は最小限にし、ぼくが安心できるスペースを作ってね

認知症の進行を緩やかにするための工夫

認知症を治すことは難しいですが、進行を遅らせることは可能です。

日々の生活にちょっとした工夫を取り入れるだけで、猫の生活の質が向上します。

脳を刺激する遊びを取り入れる方法

認知症の猫にとって、遊びは脳を活性化させ、進行を遅らせる助けになります。

シンプルな遊びでも、適切な頻度で行うことが大切です。

隠しおやつ探し
おやつを布や容器の下に隠し、猫が嗅覚を使って探す遊びを取り入れます。この遊びは脳を刺激しながら猫の好奇心を引き出します。
- 実践ポイント: 初めは簡単な場所に隠し、少しずつ難易度を上げていきます。
おもちゃで軽い運動
猫じゃらしや動くおもちゃを使って軽い運動を促します。運動はストレス軽減にもつながります。
👆高齢猫には無理のない動きやスピードを意識しましょう。

サプリメントやフードによる栄養サポート

栄養バランスの整った食事やサプリメントの利用は、認知機能の維持に役立ちます。

推奨される栄養素
- オメガ3脂肪酸: 魚油やフラックスシードオイルに含まれ、脳の健康をサポートする。
- 抗酸化物質: ビタミンEやセレンは、細胞の老化を防ぐ効果が期待される。
- BCAA（分岐鎖アミノ酸）: 筋肉の健康維持やエネルギー供給に役立つ。
おすすめの療法食
高齢猫専用のフードや、認知症サポート用のフードを選ぶと良いでしょう。
獣医師に相談しながら最適なものを探します。

むぎ

ぼくらが無理なく楽しめる遊びと、栄養面のサポートを組み合わせてケアしてにゃ

老猫の認知症を疑ったらまずやるべきこと

認知症の可能性を感じたら、初期段階での対応が重要です。
以下の手順を試してください。

日常の観察
- 行動や食欲、トイレ習慣の変化を1～2週間記録します。
- 夜間の行動や鳴き声もメモしておくと獣医師に伝えやすくなります。
獣医師に相談する
- 記録を基に、獣医師に相談し、診断を受けます。
- 血液検査や画像診断で他の病気がないかを確認することも重要です。
認知症に対応した環境整備
- 家の中での障害物を取り除き、シンプルで安全な環境を作ります。

飼い主さん

認知症かなと思ったとき、飼い主さんが冷静に行動し、適切な支援を受ける準備をしてね。

高齢猫を穏やかに介護するための心構え

認知症を抱える猫と暮らす中で、飼い主が知っておくべき心構えについて解説します。

猫のペースを尊重する
- 無理にケアを進めず、猫がストレスを感じないタイミングで対応します。
- たとえば、トイレの失敗があっても叱らず、環境を見直すことで対応するのが大切です。
飼い主自身の負担を軽減する
- 長期間のケアでは飼い主にも負担がかかります。家族や友人に助けを求めたり、猫の一時預かりサービスを利用する選択肢もあります。
猫との時間を大切に
- 認知症が進行するとできなくなる行動もあります。今できる範囲でスキンシップを増やし、一緒の時間を楽しみましょう。