猫を飼ううえで「しつけ」は欠かせない要素ですが、猫を叱ることは逆効果になることが多いです。
特に雑種猫は性格や気質がさまざまで、無理な叱り方はストレスを与え、信頼関係を壊してしまう原因になりかねません。
この記事では、叱らずに猫をしつけるための具体的な方法を解説します。
愛猫との穏やかな暮らしのために、ぜひ参考にしてください。

猫は犬とは異なり、「叱られることで学ぶ」動物ではありません。
叱ることで期待する効果が得られないばかりか、以下のようなデメリットが発生する可能性があります。
1. 猫が怯えてしまう
大きな声で叱られたり、手を振り上げられると、猫は「何がいけなかったのか」を理解できないまま怯えてしまいます。
これが繰り返されると、飼い主に対して不信感を抱くようになることも。
2. ストレスによる問題行動
叱られたストレスから、さらに問題行動が悪化するケースもあります。
たとえば、トイレ以外での排泄や家具への爪とぎなど。
3. 信頼関係が崩れる
猫は繊細な生き物です。叱られることが続くと「この人は怖い」と感じ、飼い主との距離が広がってしまいます。

ぼくら猫はなんで叱られるのか理由を理解するのが苦手な動物って知ってる?
叱るよりも望ましい行動を教えてもらうほうがいうこと聞けるにゃ。

叱らずにしつけをするには、猫の性格や行動の特徴を理解し、ポジティブな方法でアプローチすることが大切です。
「望ましい行動」を強化する
猫は「これをするといいことがある」と学習する動物です。
飼い主が求める行動を取ったときに褒めたり、ご褒美を与えることで、自然とその行動が増えていきます。
- 例1: 爪とぎの場合
家具で爪をとがないようにするには、適切な爪とぎを複数設置し、使ったときにおやつやおもちゃで褒めます。 - 例2: テーブルに乗らないようにする場合
キャットタワーや窓辺など、猫が好きそうな居場所を用意し、そこにいるときに撫でたり褒めることで、テーブルに乗る機会を減らせます。
「無視」を活用する
猫の注意を引くために望ましくない行動をすることがあります。こうした行動に対して過剰に反応すると、猫が「これをすると注目される」と学んでしまいます。
- 例: 噛み癖の対処
遊び噛みをした場合は、声をあげたり手を引くのではなく、その場を離れて無反応を貫きます。
これにより、「噛むと楽しいことが終わる」と猫が学びます。
環境を整える
猫が問題行動を起こす背景には、環境が適していない場合が多いです。
叱る前に、行動の原因を探り、環境を改善することが重要です。
- 例: 物を落とす場合
猫が物を落とすのは、好奇心や遊びたい気持ちからです。
触られたくない物は片付け、代わりにキャットタワーやおもちゃを用意してあげましょう。
👆「褒める」「無視する」「環境を整える」の3つを基本としてしつけを行うと、猫との信頼関係を保ちながら問題行動を減らせます。

雑種猫は遺伝的な多様性が豊かで、性格や行動の傾向も幅広いです。
そのため、一匹ずつ異なるアプローチが求められます。
✅活発で好奇心旺盛な猫の場合
エネルギーを発散できないと問題行動が増える傾向があります。
遊び時間を増やし、十分に運動させることで、問題行動を減らせる場合があります。
- おすすめの遊び
釣り竿型おもちゃやレーザーポインターを使い、走り回れるような遊びを取り入れる。
✅おっとりした性格の猫の場合
環境の変化や過剰な刺激がストレスになる場合があります。
落ち着ける場所を用意し、ゆっくりと慣らしていくアプローチが効果的です。
- おすすめの工夫
部屋の一角に専用のベッドやクッションを置き、安心して過ごせるスペースを作る。

猫との暮らしでよくあるトラブルごとに、叱らないで対処する方法をご紹介します。
1. トイレを失敗する
- 原因を探る
トイレが汚れている、砂が気に入らない、ストレスを感じているなどの理由が考えられます。 - 対処法:
トイレを清潔に保ち、猫が好む砂を試してみます。また、静かな場所にトイレを移動させると改善することがあります。
2. 夜中に鳴く
- 原因を探る
運動不足やお腹が空いていることが原因になる場合があります。 - 対処法
寝る前に遊びの時間を設けてエネルギーを発散させ、寝る直前に少量のフードを与えて空腹を防ぎます。
3. 家具をひっかく
- 原因を探る
爪とぎ不足やストレス発散のために行っている可能性があります。 - 対処法
爪とぎを複数用意し、家具の近くに置いて使うように誘導します。

叱らないしつけを成功させるには、日々の接し方がとても重要です。
以下のポイントを意識してみましょう。
- スキンシップを増やす
猫が甘えたいときにはしっかり応えてあげましょう。
撫でたり一緒に過ごす時間を作ることで信頼が深まります。 - ルールを一貫させる
飼い主のルールが曖昧だと猫は混乱します。
家族で方針を統一し、同じ対応を続けることが大切です。 - 叱らないが放置もしない
叱らないしつけではありますが、問題行動を放置するのは逆効果です。
行動の背景を探り、適切な対応を心がけましょう。
叱らないしつけは、猫との信頼関係を築くための最良の方法です。
雑種猫はその個性が豊かである分、飼い主がその特性に寄り添った対応をすることで、より良い関係が築けます。
焦らず根気よく接し、愛猫との穏やかな暮らしを楽しんでくださいね!